志がありさえすれば、貧乏も、多忙も、病弱も、鈍才も、決して問題ではないのであります。 立志は、言い換えればわれわれの旺盛な理想追求の求道心であります。この道心・道念を失うと、物質的な力、或いは単なる生物的な力に左右されるようになる。・・・弱いから勉強が出来ぬ、忙しいから勉強が出来ぬ、と何も出来ないものばかり集まるから、益々何も出来ない。・・・ そこで一番大事なことは、先ず己に反(かえ)るということ、人各々をして己に反(かえ)らしめるということであります。(安岡正篤)